「……ラブラブっていうのは間違ってる。そんなに話すこともないし、そもそも私と圭斗じゃ価値観が違いすぎるから」


私は勉強を大切にしたい。

圭斗はサッカーを大切にしたい。

そうだ。

根本からわかりあえるはずがないのだ。


「じゃあたくさん話してて、価値観が一緒の人だったら六花はほんとに好きになるわけ?」

「そうだよ、当たり前じゃん。それが一番大切」


何を当然のことを訊くんだろう、と首をかしげながらそう言うと、日世が突然柔らかく微笑んだ。