「まとまりいいな。明らかにメイクしてますって感じじゃないから、自然だし。素材をちゃんと活かせてる」
「女受けメイクっていうより、守ってあげたくなる男受けメイクって感じにした。どうよ?」
「あーな。なるほど」
ジロジロ見られるのは慣れない。品評会みたいだと思った。
「こりゃ日世が怒るな」
「だろうね。自分で自分褒めるようでなんだけど、上手くいった」
勝手に展開されるふたりの世界。私は置いてけぼりにされて、ただぽつんと座ってるだけ。教室をぐるりと見渡しても、突然会話に出てきた日世の存在はどこにもない。
「ヒナはどこ?」
「いま先生に呼び出されてどっか行ってる。昼いっぱいくらいかかるかもな」
「そう」
なんか、残念。ヒナに見せたらどんな反応するか見たかったのに。
さっき不破島くんが言ってた「ヒナが怒る」って、なんだったんだろう。確かにメイクをすることは一応校則違反だけど、先生たちも諦めてるところはある。
第一、ヒナはそんなにルールに厳しい方じゃないし。
褒めてくれるかな。
だといいんだけど。
ちょっとだけ浮ついた気持ちで、昼休みは終わりを迎えた。



