恋泥棒の犯行予告



夏休みは不破島くんのところに遊びに行ったことがクライマックスだった。

それ以降はみんな図書館や学校、家でひたすらに勉強。

特に面白いこともなく、時間が経つのってこんなにも早かったっけと思いながら毎日を過ごしていた。

数学の問題なんて解き始めたら悩んで悩んで、3時間が飛ぶように過ぎていく。


「六花、面談いつにする?」


黒板に貼られた『面談希望日時について』と書かれた紙を見つめる。

2年の2学期。

そろそろ志望校を決めて己の目指す道に向かって走り出せと発破をかけられる時期だ。

やだな。


「暁奈はどうする? 私はいつでもいいんだけど」

「塾の時間割考えたら火曜日あたりになりそうだけど、もう先客がいるんだよな。しかたない、中田を脅してくるか」


黄色の蛍光ペンで書かれた中田くんの名前。

暁奈が獲物を狙うハンターのような目つきで教室の後ろで友人と話している中田くんを凝視していた。


「もっと穏便にすまそうよ。というか、あんたがお願いしにいくんだからさ」

「そだね。狩猟本能が騒いじゃった」


そうかわいらしく頭を掻いて、暁奈は交渉に行った。

私は水曜日のところに名前を書く。

これから起こることを考えると、少しだけ心臓がギュッと痛くなった。