恋泥棒の犯行予告


「人が楽しそうにしとるとこを見るのはええねぇ。こっちまで心が元気になる」

「好きな人には、笑っていてほしいですもんね」


日世がそういうと、おばあさんは大きく頷いた。

長い年月を生きてきたおばあさんと、まだ20年も生きていない私たち。

経験の差はあれど、思うことは同じだ。


「君らは、好き合うとるんか?」

「そうです。自慢の彼女なんですよ」

「こんな可愛い子、なかなかおらんで。大事にしぃよ」


ふたりして、いたずらっ子みたいに笑う。


「もう、恥ずかしい……」


暗くてよかった。絶対いま顔真っ赤だ。

縁側に腰かけて、花火の袋を開け、きれいに並べていく。

虫の声、風が通り抜ける音、遠くから聞こえてくる、不破島くんと暁奈が言い合う声。


「ふたり、またケンカしてる」

「ほんと懲りないね。有もすぐつっかかるのやめなっていつも言ってるのに」

「あのふたりは仲良しやね。有があんなに優しい顔しとるのは初めて見た」