母さんは今日帰りが遅くて、父さんはいつものごとく遠くで仕事、海世は大学で帰ってくる予定はない。 帰ってきたとき、ちゃんとドアに鍵はかけておいた。 ということは。 軽い足音が階段を上ってくる。 心なしかいつもより遠慮がちな、元気のないような音だ。 「り……っか、?」