夕食後すぐに私は自室に引きこもった。


頭に浮かぶのは桃さんの後ろ姿だった。


お金もあって


高校にも通っていて


カレシもいて


自分らしいファッションをしていて


自分らしく真っ直ぐに生きている。


私には...何もない。


失って得たものもあるけれど、失ったものの方が何倍も多い。


泣きたくないのに...


泣くなんて嫌なのに...


なんで、


なんで、


なんで泣くの?


なんで涙が溢れるの?


誰にも聞こえないように布団に顔を埋めて私は泣いた。


声が枯れるまで泣いた。



続く...