愛溺〜番外編集〜



 けれど抵抗一つせずに受け入れるのは、もちろん嫌なのではなく──

 待っているのだ、その続きを。
 意外と欲しがりな私の期待に、涼介は当然のように応えてくれる。


「……ん、涼介」
「もう限界?」

 耳から始まり、首筋、頬、……唇と、色々な箇所にキスをされる中、私は涼介の名前を呼ぶ。

 ふと先程の言葉が気になったのだ。
 まるで私が涼介よりパーティーを選んだと言いたげな彼の言葉。


「ううん、そうじゃなくて……私、涼介がいなかったらパーティーに参加してなかったよ」


 たぶん、涼介の甘さに酔って思考が鈍くなっていたのだろう。


「……大好き、涼介」


 自然と好きという感情を言葉にできていた。
 言ってから恥ずかしくなり、顔が熱くなったけれど。


「あ……待って、今のは……んっ」

 涼介は恥ずかしがって何か言葉を付け加えようとする私に対して何も言わず、代わりに唇をきつく塞がれる。


「りょ、すけ……」
「あー、どうしてそんな可愛いこと言うかな」


 深くて甘いキスに息が乱れ、名前を呼ぶのがやっとの中、涼介は大きくため息を吐いた。


「今日は我慢するつもりだったけど……まあ、たまには受験の息抜きも必要だよね?」

 
 そう言って涼介は笑みを浮かべたけれど、なぜかゾクッとした。

 何だろう、嫌な予感しかしない。


「愛佳、大好きだよ」


 けれど直後に涼介が愛おしそうに名前を呼び、大好きだと言うから、何も言えなくなってしまう。

 本当にズルい、そういうところ。
 絶対にわかってやっている。


 涼介のズルさと言い訳して受け入れ態勢の私も私なのだけれど。


 結局今日もまた、私は涼介の愛に溺れていた。