「大丈夫だよ」

するとその時、静かだった涼介が口を開いた。
けれど、どうして『大丈夫』と言えるのだろう。


「何が大丈夫なの?
このままだと解決しな…」

「今日中には解決できるはずだから」
「どういうこと…?」


意味深な言葉に、私も未央ちゃんも首を傾げる。
残念ながら涼介の言いたいことがわからない。


「そのうちわかるよ」
「そのうちって…私たちは真剣なんだから」

「俺も真剣だよ」
「じゃあ何が大丈夫なのよ」

「んー、あとは白野さんがどうしたいかだと思うよ?」


うん、全くわからない。
もう少しわかりやすく説明してくれてもいいのではないか。

未央ちゃんも戸惑っている。


「どういうこと?」
「そのうちわかるよ」


またそんな風に濁す。

もう少し真剣に考えてほしいけれど、別に涼介に求めることでもない。


今の未央ちゃんは落ち込んでいて元気がないため、どうにかして解決してあげたい。

その様子から見て、彼氏のことが好きなのだ。
好きだからこそ不安になるのだろう。



やはり本人と接触する他ないのか。
頑張って良い案はないかと頭を働かせていたその時。

インターフォンが部屋に鳴り響いた。


「……なんだろう?」


何かの勧誘か、それとも宅配便か何かか。

特に宅配を利用した覚えはないのだが、部屋のモニターを確認したけれど───


「…っ!?」

モニターに映る人物を見て、私は言葉を失った。
全身に血の気が引くような感覚に陥る。