「もう帰るの?」
「本当は昨日のうちに帰るべきだったのに…本当にごめんなさい」
昨日から謝ってばかりの未央ちゃん。
さらに問題は解決していないため、彼女に元気がない。
このような彼女を放っておけるはずがなかった。
「とりあえず朝ご飯を一緒に食べよう?
今から作ってるから待っててね」
「え、でも…私の分は…」
「いいから!私はまだ未央ちゃんといたいの。
それでもダメかな?」
今度は私の方からいてほしいとお願いする。
心が弱っている未央ちゃんの目が潤み、今にも泣き出しそうだ。
「迷惑なんて一度も思ったことないよ。
一緒に問題を解決できるよう考えよう?」
「……いいの?」
潤んだ瞳は私を見上げ、かわいさのあまり思わず抱きしめてしまう。
「え、あ…愛佳ちゃん…?」
「むしろ一緒にいたい、癒される」
つい本音が出てしまった。
まさかこんなにも癒しとなる人物が現れるとは思っていなかった。
真っ白な彼女といるのは心地いい。
未央ちゃんは私の望みを受け入れてくれるようで、何とか家に止まってくれた。
急いで朝ごはんを作り終え、3人でそれを食べる。
「これからどうしようか」
何とかして解決策を生み出したいところだ。
けれど未央ちゃんの彼氏は、涼介と敵対関係のある族のトップだ。
さらにヤクザの若頭だなんて、接触するにはあまりにも危険すぎる。