「あ"ぁ?つくならもっとマシな嘘つきやがれ!!」
閉じていた目を開けると目の前には刀を首に当てたままの鬼が居た。
(ひぃぃぃ!!嘘じゃないんだってぇ〜!!)
どうしようかと涙目になっていると、それまで黙っていた沖田さんが、
「まぁまぁ、土方さん落ち着いてください。そういうからには証拠はあるんですよね?」
と提案してきた。
(た、助かった…ありがとう沖田さん!!)
心の中でお礼を言いつつ沖田さんの言葉を考える。
(証拠か…史実、は喋っちゃうとあれだしなぁ。)
少し考えて、結局リュックの中の持ち物を見せることにした。
「証拠、になるかは分かりませんがその鞄の中身を紹介します!」
そう言って受け取った鞄の中から選んだのは…
(ん〜、あ、今日買ったお菓子にしよう!!)
チョコレートだ。
(これなら今の時代には無いし、何より美味しいから信じてくれるはず!)
美味しいから信じてくれる、と本気で信じている蝶の頭は相当なお花畑具合である。
「これはチョコレートと言って未来の甘味です。」
簡単に紹介をしてから2人に手渡す。
「甘味!?甘味ですか!?」
"甘味"と言った瞬間、沖田さんはきらきらと顔を輝かせた。
(あ、沖田さん甘い物好きってほんとだったんだ…)
どうやら沖田総司甘党説は本当だったらしい。
「これが甘味ぃ?随分食いずれぇ見た目してやがるな…」
土方さんの方はまだ疑っているようだった。
(まぁ確かに初めて見たらびっくりするよね。茶色だし。)
それぞれ手に取って見たり、匂いを嗅いだりしていた。
「わぁ、とっても甘い匂いがしますね…いただきます!」
一方の沖田さんは少しも疑うことなくあっさり口に入れてしまった。
「あ、おい総司!」
土方さんが止める間もなく口に入れた沖田さんは下を向いてプルプルしている。
「総司!?おい、どうした!?てめぇ何しやがった!?!?」
(え、え?腐ってた?いやでも今日の朝コンビニで買ったばかりだし…)
その姿に大層慌てたが、そんな蝶の心配も杞憂に終わる。
「っ!!!蝶さん!!僕は信じますよ!!!だから未来の甘味をもっとください!!!!」
何故なら、顔を上げるなりとってもいい笑顔でそう言ったからだ。
