美咲は 小さな頃から 成績が良かった。

特に勉強しなくても テストをすると 良い点が取れる。


両親は 教育熱心ではなかったので 美咲の理解力に いつも驚いていた。
 


中学生になり、少し 集中して勉強を始めた美咲は、

すぐに 学年で一番になった。


いつの間にか、美咲は 勉強ができる子として 注目されていた。
 


姉も弟も、成績は普通だったから、
 

「美咲は誰に似たんだろうね。」

と祖母はよく言った。
 
「決まっているだろう、祖父ちゃんだよ。」

祖父は笑顔で言う。


農家の 跡取りとして生まれた祖父は、上の学校に行けなかった。


本当は もっと勉強したかった、と言うのが 祖父の口癖だった。
 


「せっかく 頭が良いんだから、美咲は 好きなだけ勉強しなさい。」


と祖父はずっと言っていた。



美咲の良い成績を、いつも 一番喜んでくれるのは 祖父だった。