8年振りに 抱かれた美咲の身体は、思いのほか 熱く応えてしまい 聡を歓ばせた。
 
「美咲、またいい女になったな。」

熱い嵐の後で聡は言う。

凪いだ胸に抱かれて美咲も
 
「横山君もね。」と答えた。
 

初めての美咲を 抱いた聡は 8年という時間の経過を 美咲の身体で感じたはず。

あれからの美咲が、どんな時間を過ごしたか。
 

「美咲の身体、特別なんだ。誰を抱いても こんな気持ちにならないんだ。」

言いながら、聡の身体は 熱くなっていく。


優しく髪を撫でていた手が 美咲の首を捕え、激しく唇を塞がれる。

あの日のような 淫らな時間。


美咲は 聡に導かれるままに 身を任せた。
 


聡の激しさに 引き込まれて、美咲はそのまま 泊まってしまった。

一緒に朝を迎えた羞恥が 二人を包み、微笑み合ってしまう。
 

「今日は 東京案内してよ。俺 お上りさんだから。」

朝食を食べながら 聡が言う。
 
「いいよ。どこに行きたい?」

美咲も 少し照れながら答える。
 


「どこって言っても わからないから。美咲が考えて。」

聡は笑いながら答えた。
 


美咲は 少し戸惑っていた。

聡は何故 美咲を抱き、今日を一緒に 過ごしているのだろう。


まるで恋人のような優しさで 美咲を包むけれど。

今日帰ってしまえば、また何事もない二人に 戻ってしまうのに。
 


でも美咲は 割り切ってしまう。

今日は予定もないし。

今、彼はいないのだから。



この休日を聡と楽しもう。


聡と一緒にいる時間は楽しいから。