入社して3年目の秋、麻有子は ずっと会えなかった幼馴染みに再会した。
そして 燃えるような恋をして 電撃結婚をした。
「ねえ美咲。私、今、幸せ過ぎて怖いの。」
彼と出会ってからの麻有子は、柔らかな雰囲気を身にまとい どんどん綺麗になっていった。
不安そうに 美咲を見て言う麻有子。
「大丈夫。今の麻有子、すごく綺麗で 幸せオーラ全開だから。不幸が逃げていくよ。」
美咲が笑顔で言うと、
「私、智くんのいない生活なんて もう考えられないの。」
と麻有子は、うっすら涙を溜めて 美咲を見た。
「麻有子 前の彼の時は 会えなくても 全然平気だったじゃない。智くんは 麻有子の運命の人なんだね。」
美咲の言葉に、麻有子はコクリと頷いた。
麻有子が 以前付き合っていた彼は、達也と同じように忙しくて あまり会っていなかった。
美咲達と 同じような交際をしていた。
それでも麻有子は『このくらいで丁度良いの。』と笑っていた。
それが今の彼とは、再会してすぐに一緒に暮らし始め 3カ月足らずで入籍した。
一日も 離れていられないと言って。
麻有子の変化を 見ていた美咲は、驚きながら羨ましかった。
そこまで思える相手と 出会えた麻有子。
美咲はまだ、そういう相手と出会っていなかったから。



