行動の早い智之達は、翌日 別荘を建築してくれた工務店の社長に 声をかけた。
 

「去年の別荘に続いて、今度は 高村さんの家を建てさせてもらえるなんて。」

と工務店の社長は 上機嫌だった。
 

「こちらこそ。別荘、すごく使い易くて、みんな喜んでいます。なので両親と妹達の家も 安心してお願いできます。」

いつも謙虚な智之は 自分がお客さんの立場でも 決して 高圧的な態度をしない。
 


お店をどうするか、という話しをした時 父は閉めてもいいと言った。
 

「機械も全部古いし。それに最近は チェーン店が増えているから。たいして お客さんも来ないんだよ。」

寂しそうと言うより、むしろ サバサバした雰囲気の父。
 

「そのうち、美奈ちゃんの子供が生まれたら、パパとママで 面倒みるようになるから。ちょうど良いじゃない。」


麻有子が笑顔で言うと、美奈子は、


「ちょっと、お姉ちゃん。」

と言い、和哉は 美奈子より顔を赤くした。