「ねえ和君、美奈ちゃんと並んで。」

絵里加に言われて、みんなが頷く。
 

「えっ。俺、普段着だよ。」

と照れる和哉。
 
「いいから、いいから。」

と智之に肩を叩かれ、和哉は 照れながら 立ち上がる。
 

「うん。いいじゃない。お似合いよ。」

母が言うと、
 

「普段着の和哉と お似合いって。それもどうなのよ。」

と美奈子が膨れる。


またみんなの笑い声が弾けて。
 


美奈子は 隣に立つ和哉を、そっと見る。

照れながら、和哉も 幸せそうに微笑んでいる。



今日の幸せを、忘れない。


家族の愛と、和哉の愛に包まれて。



不幸だったことが 一度もない自分の人生。



これからも、ずっと私は幸せだ、と美奈子は 確信していた。