午後、部活が終わって 和哉が訪れる。
美奈子は みんなに進められて、麻有子のウエディングドレスを着てみた。
「わあ。美奈ちゃん、綺麗。」
絵里加が歓声を上げる。
麻有子が心配したサイズも、全く 手を入れる必要がないほど、美奈子にぴったりだった。
「本当。美奈ちゃん、よく似合うわ。」
と麻有子が笑顔で言う。
「うん。馬子にも衣装だね。」
と父と母は微笑み合う。
美奈子は そっと和哉を見る。
和哉は 少し顔を赤らめて、嬉しそうに 微笑んでいた。
「どう、和哉。」
美奈子は 意地悪をしてみたくなって、和哉に聞く。
「ははは。美奈ちゃん、聞くなよ。」
一層赤くなって、何も言えない和哉の代わりに、智之が言う。
「もう。少しくらい褒めてよ。お兄さんなんて、堂々と お姉ちゃんを褒めるよ。」
幸せに 頬を膨らませる美奈子。