和哉のご両親は、素朴で明るくて。

美奈子は ご両親を見て、和哉の 誠実な人柄が理解できた。


温かく受け入れられ、美奈子を 幸せな責任感が包む。

控えめに和哉を見ると、温かな瞳で 美奈子を見つめ返してくれた。
 


ご両親と一緒に暮らす お兄さん一家も加わり、賑やかな時間になる。

お兄さんの子供は 3才と1才の男の子二人。

最初、照れていた子供達は、すぐに美奈子に慣れ、ご両親を笑顔にする。
 


「美奈子さん。こんな有様だけど、たまには顔を見せに来てね。」

とみんなに優しく見送られ、二人は 軽井沢に帰った。
 

「美奈子、疲れただろう。ありがとう。」

帰りの車の中で、和哉は言う。
 
「ううん全然。和哉のご家族、みんな良い方で良かった。」

美奈子が 笑いながら言うと、
 


「親父は お袋に頭が上がらないんだ。」

と和哉が笑う。
 
「和哉、お父さんにそっくりだね。」

と美奈子も 笑ながら言う。
 

「だから俺も、美奈子に 頭が上がらないんだよ。」

と和哉は嬉しそうに笑った。