和哉は熱心な教師で、二人でいる時も 生徒の話しをする。


優秀な生徒、成績は悪いけれど優しい生徒。

そして 顧問をする柔道部の生徒。
 


美奈子は、会ったこともない生徒達に 愛着を持ち始める。
 


「ねえ。川上君、肩治った?試合に間に合いそう?」

そんな美奈子を、和哉は愛おし気に見つめる。
 



「美奈子、今度の試合、見においでよ。」

と和哉は 思いがけないことを言って、美奈子を驚かす。
 

「やだ。恥ずかしいよ。」

美奈子が言うと、
 

「大丈夫だよ。みんなに 紹介するから。差し入れ持って来てよ。」

と和哉は 照れた顔で言う。


和哉の笑顔が嬉しくて、美奈子は 甘く頷いてしまう。
 


「先生の和哉見るの、楽しみだな。」

と微笑む美奈子に、
 

「何か俺の方が、恥ずかしいよ。」

と和哉も笑う。