一緒に昼食を食べて、少しドライブして。

そのうち、夕食の時間になり。

また一緒に食事して。


そんなデートを重ねていた二人。
 


「ねえ。外食ばかりで飽きない?夜は、私が作ろうか。」

と美奈子は言った。

「えっ。美奈子、料理できるの?」

和哉は 驚いた顔で美奈子を見る。
 

「多少はできるよ。買出しして、和哉の部屋で食べようよ。」


山間部出身の和哉は、アパートで 一人暮らしをしていた。

美奈子の言葉に和哉は、嬉しそうに微笑む。



「アパート汚いけど。笑うなよ。」

と言って 美奈子を優しく見つめる。
 


和哉と過ごす時間は、穏やかで自然体で。

和哉から滲む 熱い愛情が、美奈子を 甘くときめかせる。


「まずは、片付けからスタートか。」

と笑う美奈子。


自分が 誰かの為に、何かをするなんて。

そういう気持ちになることも、美奈子は 幸せだった。
 


和哉の 大らかな穏やかさは、美奈子を安心して寛がせ。

和哉は 寛ぐ美奈子に癒されていく。


刺激やスリルを求めない、堅実な二人。



心は堅く結ばれ、お互いが 一緒の将来を意識し始めていた。