中学の教師になって、和哉は 家庭の大切さを 痛感していたから。


愛の無い家庭で育った子供は、真っ直ぐに前を見ない子が多い。


小さな歪みを 矯正しようともがく子。

他人を傷つけることで、自分の傷を 相殺しようとする子。
 


だから和哉は、絶対に 温かい家庭を築きたいと思っていた。

和哉も 温かな両親に 愛されて育ったから。

同じように、幸せな女性と結婚したい と思っていた。



美奈子のような。


 


この偶然を無駄にしたら 絶対に後悔する。

そう思った和哉は、美奈子に連絡先を聞く。


少しはにかんで、携帯番号を 教えてくれた美奈子。

和哉も 美奈子以上に照れて、連絡先を受取る。



二人が繋がった瞬間だった。