だから 同僚と立ち寄った中華料理店で 美奈子を見た時、和哉は 不躾とも思えるほど真っ直ぐに 美奈子に近付いた。
 

前回のような、ジャージにエプロンの二人連れ。

美奈子は 同僚の女性と 楽しそうに笑っていた。


美奈子達に 深刻な空気が無かったから、和哉は 美奈子に話しかける。


偶然の出会いを 無駄にしたくないと 強く思いながら。
 


一時間と少し。

美奈子と話した和哉は、美奈子の 大らかな明るさに 更に惹かれる。


今までに、和哉を これ程突き動かした 女性はいない。



美奈子の純粋な透明感。

温かな家庭で 大切に育った者だけに与えられる、幸せな甘さを 美奈子は持っていた。