研修が終わり、ペンを返す和哉は、
 

「ありがとうございました。僕、南中学の小島です。」

と名乗った。
 

「あっ。いいえ。私は保育士の高村です。」

美奈子は クスッと笑って、名前を教えてくれた。


もっと話したい、連絡先を聞きたいと思いながら 和哉が躊躇していると、
 

「それじゃ、お先に失礼します。」

と美奈子は 席を立ってしまった。

「あっ。どうも。」



自分の不器用さに イライラしながら、和哉は美奈子を見送る。