智之のお父様は、一度の食事で 美奈子のお給料1ヶ月分に近い金額を、当たり前のように支払っていた。


麻有子の金銭感覚は、もう美奈子とは違う。

そう思うことは、少し寂しいけれど。
 

でも美奈子は、それを 自然に受け入れていた。

麻有子は、それ以上の努力をしていたから。

そういう生活をしても 当たり前だと。


そして自分は 麻有子とは違うから。

麻有子を妬むことも、卑屈になることもなかった。