俺の周りの人は、


常に俺のことを“芸能人”として見てた。





“片岡翔”その名前に惹かれて、
俺に近づいてくる人間は数え切れないほどいた。


数え切れないほどの女達が寄ってきて…、


俺は名前も知らない女を抱いた。

何度も、何度も。


女に不自由したことはない…、





だけど




俺に近づいてくる人間はみんな、



俺を一人の人間として見るのではなく



芸能人の“片岡翔”という名前を見ていたんだ。












だけど、







君だけは違った…。












君だけは、



俺をちゃんと俺として…







職業なんて関係なく、

俺を一人の人間“片岡翔”として
見てくれたんだ。
















君のことを初めて見たのは、
あの病院だった。






偶然だったけど、
俺は君から目が離せなかったんだ…。












あの日、病院で初めて君を見たあの日

単純に君を――――



綺麗だと思った。







もしかしたら、

もうあの時から俺は君に
惹かれていたのかもしれない。