青空の下で音楽を奏でる

するとまた皆の表情が固まった。
ああ、私はもうダメかもしれない、穴があったら入りたい、そう思っていたその時、

「意外といいんじゃない、基本はまだまだだけど、声はいいし、ボイトレすればイケそう。」

鮎川先輩が安堵の表情になった。

「うん俺も、少なくとも楽器よりはマシだと思ったよ。」

続いて瀬名くんもそう言った。

私は思わず表情が緩んだ。大して褒められている訳でもないが、嬉しかった。

「え、ちょっと待ってよ。じゃあ私は?」

そう言ったのは東城さんだった。

「ドラム、叩けてたから。ドラムでいいかな?」

「え…。」

「お前、才能あるんだから大丈夫だろ。」

彼女はしばらく黙っていたが、

「分かりました。」

と静かに言った。

「じゃあ決まりで。もう一度聞くけど、みんな本入部、してくれるんだよね?嬉しい!」

「よろしくお願いします。」

と、ここで私は重大なことに気付いた。

私がボーカルになってしまったのだ。

これからどうなってしまうのか…。

検討もつかなかった。


色んな意味でのドキドキとソワソワで鼓動が速くなっていく。

そして私は今、涼しげなこの朝、ここにいる。