* * * 昼食を食べ、映画も観た。 それらの時間は、あっという間に感じた。 やっぱり早く感じるな、時間が過ぎるのが。 楽しいと思うことは。 帰り道。 満開の桜の木の道をゆっくりと歩いている。 「隼翔兄、桜きれいだね」 「ああ」 「だけど、あっという間に散ってしまう。 だから切ない気持ちにもなる」 「そうだな」 そう言いながら葵の顔を見る。 葵の表情。 一見、普通に見える。 だけど、どことなく寂し気な雰囲気もあった。