「…は、はなして…っ」
そう言って一ノ瀬くんの体を引き剥がそうとするけど、それは逆効果で、一ノ瀬くんはさらに強く抱き寄せてきた。
「綾川さんやばい。ほんとそそるからやめて」
へ?そ、そそるってなに?
心臓が今までにないくらいうるさく鳴っている。
待って、この状況、あり得なくない?
だって学年一のイケメンに私いま抱きしめられてるんだよ?
どう考えたってあり得ない。
私もしかして夢でも見てるのかな?
最近いろんなことがありすぎて、変な夢でも見ちゃってるのかも。
そういえばなんだか頭もぽやーっとしてきたし。
視界もだんだんぐらついてきてるし。
やばい、なんか意識も朦朧としてきた…
「……綾川さん?」
ふっ、と全身の力が抜けて、それから私は意識を手放した。
「全く……綾川さん可愛すぎ。」
そんな声が最後に聞こえたような、聞こえなかったような_____。

