……一ノ瀬くんのくせに私に構いすぎだよ。
一ノ瀬くんに触られている手がやけどとは違う熱を持っている。
それに心臓がすごくうるさい。
たぶん顔も真っ赤になってるよなぁ…
すると突然一ノ瀬くんが私の方を見る。
「え……」
一ノ瀬くんも顔真っ赤なんだけど…?
一ノ瀬くんは強引に氷水から手を抜き、タオルで優しく拭いてくれた。
………その顔は、ずるいですよ。
また心臓がどくどくと早鐘を打つ。
「あっ、ありがとう…」
「ん…、いいえ。気をつけてね」
そう言うと一ノ瀬くんはいつもどおりの一ノ瀬くんになって、すたすたとテレビの前へ歩いていった。
……なに今の顔。すごく可愛かったんだけど。
もうやけどしたところはちっとも痛くない。
代わりに、一ノ瀬くんに掴まれたところが今でもじんわりと熱かった。

