途中 牧場や高原を散歩して ホテルに入る。



リゾナーレのレジデンス棟は 異国情緒があって 非日常感に包まれる。
 

「素敵なお部屋。ホテルって言うか、別荘みたいね。」

嬉しそうな 声を上げる恭子。

広い部屋だから ベッドの存在感に 圧倒されることもない。


「外も気持ちいいな。」

樹はテラスに出てみる。

すぐに恭子も 隣に来て 樹と並ぶ。
 

「何か、二人の家みたいね。」

と言う 恭子の笑顔が可愛くて 樹は 抱き寄せてキスをしてしまう。

可愛い吐息で 応えてくれる恭子。


テラスのソファに腰掛けて しばらくキスを繰り返す。
 

「恭子、愛しているよ。」

樹のキスは 熱くなり 恭子を 抱き寄せる手は 優しく動きだしてしまう。


このまま 走り抜けたい衝動を 樹は抑える。
 

「樹さん、大人のキスだった。」

樹の胸に 寄り添う恭子が 静かに言う。
 
「いや?」

そっと目を合わせて聞くと、
 

「ううん。甘くて、熱くて、体が溶けてしまいそう。」


恭子は恥ずかしそうに答える。