4人で出かけたプールは 樹を ほのぼのと幸せにする。

恭子の はしゃいだ笑顔が可愛くて。


この子を 幸せにしたいと、強く思う。

絵里加に感じた思いよりも もっと身近で。もっと現実的な思い。


手の届くところにいるから。

樹に向かって微笑むから。
 

「あれ、恭子ちゃん、大人っぽいね。」

プールを出て レストランに向かう恭子は 上品なワンピースを着ていた。
 
「本当に?」

と言って、嬉しそうに 絵里加と微笑み合う。
 
「もしかして、姫のお下がり?」

樹の言葉に、得意気に頷く。

絵里加も 嬉しそうに笑いながら、
 


「絵里加が 一年生の時に 着ていたの。」と言う。

絵里加は もう奥様だから。

お嬢さん風の洋服を 卒業しようとしているのか。
 


「絵里ちゃん、すごく丁寧に 使っているから お下がりに見えないでしょう。」

恭子は、むしろ自慢げに 絵里加の服を着る。


「ケンケン、俺達 美女に囲まれて 羨ましがられるかな。」

恭子も、絵里加以上に 可愛いと言いたくて 樹が 健吾に言う。
 

「恭子はまだまだですね。」

健吾の言葉に 膨れる恭子。


やっぱり 笑わずにはいられない。可愛くて。