まだ高校生の少女は ほんのりと頬を染めて 絵里加を見つめる。

急に近付いた女神を 一瞬も 見逃さないように。
 

「恭子ちゃんも、絵里加と同じ 神山先生が担任なのよね?」

絵里加に話しかけられて、生き生きとした目で答える。
 
「神山先生 絵里ちゃんのこと とてもよく覚えているのよ。」

絵里加を 自慢したい気持ちが よくわかる。
 

「恭子、先生に余計なこと言うなよ。」

健吾が牽制すると 恭子はそっと肩をすくめた。
 
「お兄ちゃんの彼女だって もう言っちゃったよ。」

隠せるわけがない。

絵里加が 姉になるかもしれないのに。

嬉しくて、話さずにはいられないだろう。