「それで 良い機会なので 家を建替えようと思います。若い二人が 住みやすいように 使い勝手も考慮します。」

と父が言うと やっぱり恭子は驚いて、
 
「この家を壊しちゃうの?」と樹を見た。
 

「恭子の希望も 全部、取り入れるからね。」

と言う樹に、
 
「もったいないですね。まだ住めるのに。」と恭子は言う。

思っていた通りの 可愛い反応に、樹は笑顔になる。
 
「もう古いから。そろそろ 建替えの時期だったんだよ。」

父は 優しく恭子に言う。


恭子はやっと 笑顔になって 樹を見る。
 

「私達の為に 建替えるのなら 申し訳ないから。」と言った。 

そんな恭子の反応を ご両親も 満足そうに見つめる。