「20才の誕生日も、何も してあげてないし。ごめんね、恭子。」

樹が 恭子を 抱き寄せて言うと、


「大丈夫。来年、2倍してもらうから。」

と笑ってくれる。
 

「いい子だ。恭子が 家を守ってくれるから 俺は 仕事を頑張れるんだよ。」

と頭を撫でると 恭子は嬉しそうに 微笑んだ。
 

休日は 健吾と絵里加も家に来る。

まだ、お祖父様がいるから。

お祖父様は 家族で 賑やかに過ごす事が 大好きだったから。
 


毎日 側にいて お祖母様を 労わってくれる恭子に 絵里加はとても感謝していた。

お祖母様の寂しさは 日を追うごとに 増していくから。


恭子が近くで 明るく 紛らしてくれることで お祖母様は 救われていたから。