「そう言えば、お袋は お祖母さんに苛められていたよね。」
 
「そうだ。あの変な従兄妹が来ると。それで俺達 軽井沢に避難していたんだよ。」

黙って聞く樹と翔。

父と智くんは 懐かしそうに 話しを続けた。


「自分達が苦労したから 親父もお袋も 沙織や麻有ちゃん 可愛がってくれたんだ。」
 

「確かに。俺達が結婚してからは 本当に平和だったよね。」
 
「樹達のことも 本当に可愛がっていたよね。」

父の言葉に頷いて、樹は言う。
 

「姫のことは、特別だったね。」
 
「絵里加の結婚式終わって 安心したのかな。肩の荷が 下りたんだろう。」

智くんは 大きく頷いて言う。
 

「絵里ちゃんが 苦労しないで 間宮さんに馴染めるように 頻繁に食事に誘って。おかげで 樹と恭子ちゃんも 結ばれたわけだから。」
 

お祖父様を囲んで 4人で話していると それぞれが 気持ちの整理ができてくる。


これからは 父や智くんが お祖父様の役目を引き継ぐから。


そして樹と翔で それを守るから。


4人は 窓の外が白むまで 静かに話し続けた、