「悝世はお昼食べないの?」


「昼より依茉のほーが食べたい」


「イミワカリマセン」


ほんとに相変わらずベッタリで。
これが幼なじみに対する態度なのって思っちゃうくらい。


いや、こうやって思うのはもうこれで何度目って話なんだけども。



わたしもこうやって許しちゃうのがダメなのかなぁ。


少しは拒否しなきゃって、自分でも幼なじみならそれなりの線引きをしなきゃいけないのに。



「今日もかわいーね依茉ちゃん」


こんな簡単な言葉にころっと落ちてしまう自分が線引きなんてできるわけない。


心臓がギュッとなって縮まって。
いちいちうるさくなるから嫌になっちゃう。



はぁ……と、ため息が漏れたと同時。


それをかき消すように、いきなり屋上の扉がバンッと勢いよく開いた。