あぁ、わたしって単純。
きっと悝世にうまく言われたら、すぐ嬉しくなってころっと機嫌を直しちゃう。


さっきの不安な気持ちや拗ねてた自分なんて、もうどこかに飛んでいっちゃうくらい。



「ご機嫌直りましたか?お姫さま」


軽くフッと笑いながら
わたしの髪に指を絡めて聞いてきた。



「うぅ……、もともとそんな機嫌悪くなかったもん」


「はいはい。そんな嘘はいいから。
んじゃ、依茉の機嫌が直ったってことで」



すると、悝世が急に電池が切れたみたいにわたしに体重をかけて倒れてきた。



「うっ、重いよ!!」


「はぁ、疲れた。久々に重いもの持ったし走ったから。俺たぶん明日腕と足折れてると思う」


またそんな大袈裟なことばっかり。
それで結局、撮影休みたいとかいう理由に無理やりこじつけちゃうんだから。