キッチンで準備をしていると、突然背後に人の気配。

誰かなんて、もちろん考えなくてもわかる。



「……なんで俺のこと1人にするの」


「わっ、ひゃっ……」


身体をすり寄せるみたいに、後ろからギュッと抱きしめてくる。


まだ寝起きのせいか声が眠そう。


さっきまで気持ちよさそうにスヤスヤ寝てたのに。



「起きたら依茉が一緒に寝てなかった」


「あっ、先に目が覚めたから。悝世昨日疲れてただろうし、起こすの悪いかなって」



「……依茉がそばにいないと寝れない」



またそんな甘えたなことばっかり。



「休みの日だからわたしもやることがあって」


「それは俺よりも大事なことなの?」


ほんとに悝世はいつだってそう。
自分をいちばんにしてくれなきゃ嫌だって。



「俺のこと放置するなんてひどいじゃん。俺はそういうプレイは求めてないよ」


「は、はい??」