こんなにかっこいい悝世を見たら、きっともっとファンの子たちが増えちゃう。
それはすごくいいことなんだろうけど、心が狭いわたしは嫌だな…とか思っちゃうわけで。
悝世の人気がどんどん上がって、わたしみたいな幼なじみはいらないって言われるかもしれないから。
ファンの子や同じ世界の可愛いモデルさん。
悝世がいる世界には、わたしみたいな平凡な女子高生よりも輝いてる子たちがたくさんいるから。
いつか、わたしと過ごしてきた時間が、すべてリセットされちゃうんじゃないかって、勝手に不安ばかり煽られる。
「えーまちゃん」
「へ……っ?」
突然、瑠衣くんがひょこっと顔を覗き込んできた。
「すごいね。俺が話しかけたのにずっと悝世に見惚れたままだったから」
「うっ……いや、そんな見惚れてわけじゃ」
「いやいや、ものすごく夢中になって見てたのによく言うよー」
他人の目から見ても、そんなわかりやすいなんて。

