車が無事に撮影スタジオの駐車場に到着。
そのまま田城さんと悝世が前を歩くので、わたしは2人の後ろをついていくだけ。
外装は真っ白の建物。
そんなに大きくはなくて、5階建てくらい。
中に入ってエレベーターで目的の階へ。
「おーい、悝世。頼むからカメラ回ったらシャキッとしろよー?」
だるそうに歩く悝世を心配しているのか田城さんが声をかける。
「はいはい。いつもシャキシャキしてまーす」
「どうだかなーー。んじゃ、俺は打ち合わせあるから先にスタジオ行っててな。依茉ちゃん、悝世のこと頼むね?」
「えっ、あっ、はい」
頼まれちゃったけど、正直どうしたらいいのやら。
そのまま悝世がスタジオに入ったので、控えめに後ろからひょこひょこついていくだけ。
よく考えてみたら、ここはフツーの女子高生が見学できる場所じゃないような。

