「撮影めんどーだし時間かかるし。依茉との時間削られんのがいちばん無理」


「ははっ、お前はほんと依茉ちゃんのことしか考えてないんだな」


「俺の世界はかわいー依茉ちゃんでできてるからね」


なんだかものすごーく棒読み。
ほんとに悝世はすぐに「かわいー」って言うけど、ほんとに思ってるのかわかんない。



「んじゃ、そのかわいー依茉ちゃんにかっこいいところ見せられるように頑張れよ?」


「はいはーい」


返事の仕方ものすごくテキトー。


この会話だけを聞いてると、とても撮影に臨めそうには見えないんだけれど。



きっと、わたしなんかがいなくても
悝世はカメラが回った途端、人が変わったように切り替わるから。


少し前までは、こうやってスタジオに行っていたんからよくわかる。