「依茉はほんと無防備だよね。
俺が男だってちゃんとわかってんの？」
「わ、わかってる……っ」
「んじゃ、それわざと？」
「ち、ちがう」
いい加減もう止めてくれたらいいのに、肌にスースー冷たい空気が触れたまま。
「誘ってるようにしか見えない」
「ちがう……もん」
「依茉はそーゆー気なくても、俺は欲情しちゃうよ？」
「っ、そんなこと言わないで」
「依茉知ってるよね？
俺が我慢するの苦手なこと」
「……っ？」
「……触れたいと思ったら止まんないよ」
頬や首筋、耳元にキスがたくさん降ってくる。
身をよじって逃げようとしたら、腰に手を回してグッと引き寄せて。
「……ここにしたらダメ？」
キスが止まって、悝世の指がわたしの唇にグッと押しつけられる。
ダメって意味を込めて首を横に振る。
すると、悝世の表情はあっけなく不満そうに崩れた。
