「……依茉ちゃん拗ねてるの?」


「うっ、だってやだもん……。わたしの、悝世なのに……っ」



「珍しく素直じゃん。かわいー」


「か、からかわないで……っ」


わたしが拗ねてるの見て、なんでか嬉しそうに笑ってるし。



「……んじゃ、明日文化祭行くのやめよっか」


「え、なんで」


「だって執事服、着てほしくないんでしょ?」



うっ……いや、そういうわけじゃなくて。


もちろんね、他の女の子にかっこいい執事服で接客するの嫌だよ?


でも、でもね、執事服着てほしくないわけじゃなくて。



「えと……着てほしくない、わけじゃないの」


「……どーゆーこと?」



「うっ、えっと……その、執事服着てるのは見たいの…っ。でもね、他の女の子に見られちゃうのが、やなの……っ」



あぁ、やだやだ。

ヤキモチ全開。どんだけ心が狭いのって言われても仕方ないよ。