文化祭前日の夜のこと。


いつもと変わらず悝世とベッドで寝ようとしたとき。



「……そーいえば明日文化祭だね」


普段、行事とかにあまり興味のない悝世が珍しく自分から話題を振ってきてびっくり。



「そうだね。
悝世のクラスは執事喫茶やるんだよね?」


「ん、まーね」


悝世はもちろん裏方なわけなく。


この前、衣装合わせをしたみたいで、面倒くさがり屋な悝世は「めんどーだから風邪ひいたことにしたい」なんて言ってて。


ちょうど仕事と被るかもしれなかったみたいだけど、被らなかったみたい。




「悝世ぜったい執事服、似合うもん……」


「……どーだろうね」


「女の子みんな夢中になっちゃう…よ」


あからさまに声のトーンがしょんぼり落ち込んでる。


だって、今日もクラスの子たちが悝世のクラスに行くの楽しみって言ってたもん。



女の子たちみんな、悝世がお目当てだから。