「うぇっ……!?」
ボケッと歩いていたら、急に後ろから手を引かれてびっくり。
「……何その声。変なの」
「えっ、うわっ、悝世……!」
会えたらいいなぁって思っていたら、まさか会えちゃうなんて。
教科書とか筆記用具を手に持っている様子から移動教室なのかな。
「珍しいじゃん、依茉がこっちの校舎にいるの」
「あっ、うん。プリントの回収頼まれたから。それで今から教室に戻るところ」
休み時間終わっちゃうまで10分を切ってるから、もういかないと。
「じゃあ、時間ないからもういくね?」
手を振って、悝世に背中を向けて歩き出したら。
「うぎゃっ、なに!?」
後ろからガバッと覆うように抱きついてきた。
「……もういくの?」
「う、うん」

