「うぅ、悝世ってば、悝世……っ」
「……うん、そんな何回も呼ばなくても聞こえてるから」
わたしを落ち着かせるためにギュッと抱きしめて、背中を優しく撫でてくれる。
「うっ、悝世、これ……っ」
「……ん?なに?」
「ブレスレット……っ」
「うん、俺からの誕生日プレゼント」
「あと、お花もメッセージカードも……っ」
言いたいことがぶつ切りでしか出てこない。
ほんとはもっと、ありがとうってちゃんと伝えたいのに……っ。
「……どーしたの、そんな泣きそうな顔して」
「うっ、だってだって……」
すると悝世は一瞬だけ笑って、そのまま自分の身体とわたしの身体をベッドから起こした。
お互い正面を向き合って、ベッドに座ったまま。
そして、悝世がわたしの左手をスッと取った。

