「わぁ、リップだっ」
「それ新作なんだって〜。可愛らしい感じのピンクだったから依茉に似合うと思って〜」
「うぅ、ありがとうっ。すごく嬉しい!」
こんなに可愛いリップ持ってないから。
化粧品に興味がなさすぎて、いつも薬局で売ってるリップを塗ってるくらいだし。
「それで可愛くして、明日神崎くんとちゃんと向き合ってきたらどう?」
「……でも、悝世の予定わかんないし」
「ほら、ウジウジしない!神崎くんのマネージャーさんにいろいろ聞いたんでしょ!それで素直になるって言ったの依茉じゃん!」
「そ、それはそうだけど……」
いざ、悝世に気持ちを伝えようって決めたはいいものの、どうやってどのタイミングで言ったらいいのやら。