「依茉ちゃんしか眼中にないから、モデルの仕事始めてから、女の子のモデルとの撮影はぜったい引き受けたがらなくてさ」



たしかに、悝世が今まで女の子のモデルとの仕事を受けてこなかったのは知ってる。



でも、今回……結菜ちゃんとの撮影は受けてた。


おまけに、その撮影のときにわたしをスタジオに呼んだ。



それを田城さんに言ってみたら、すごく困った顔をして、急に両手を目の前でパチンっと合わせて。



「あれはほんとにごめん…!じつは俺が余計なこと言っちゃったのが原因でさ」


「余計なこと…?」



「いや、その……依茉ちゃんがなかなか振り向いてくれないなら、嫉妬させちゃえばって俺が軽いノリで言ったらアイツ本気にしちゃって」



「それで、結菜ちゃんとの仕事……受けたってこと、ですか?」



「そうなるね。ごめんね、まさか本気にするとは思ってなくてさ。おまけに依茉ちゃんのことスタジオに呼んでるし」