暗くて顔は見えないけど、声色からしてほんとに嫌だって、拗ねてるような。 「……依茉の特別は俺だけじゃないの」 「っ、」 髪に手を伸ばして触れて、 そのままキスを落としたのがわかる。 わたしの横を流れる髪をクシャッとして耳にゆっくりかけて……。 「……瑠衣なんかに渡さないよ」 また、唇が触れた。