「いま……何したの……っ」


少し乱れた息を整えながら聞くけど、悝世は何も言わない。



「こんなの、
幼なじみがすることじゃない……よ」



「……わかってる」


うそ、ぜったいわかってない。



「今だけ、幼なじみらしくないこと……した」


「っ……、」



もうほんとにほんとに、悝世の考えてること全然わかんない……っ。


今だけってなに……?


ずるいよ、そんなこと言うの……。



胸がギュッと苦しくなる。
心臓をギュッと握りつぶされてるような感覚……。



「こんなの、間違ってる……っ」


また黙り込んで。


耐えられなくて、その場から逃げ出そうと立ち上がろうとしたら……。



「依茉は……」


悝世がわたしの手首をつかんで、
そのまま自分のほうに抱き寄せた。



あっという間に悝世の体温に包まれて、甘い香りに心拍数が上がっていく。