そのまま手は繋がれたまま。
特に会話もせずに、悝世がわたしの手を引いて少し前を歩くだけ。
真っ暗な夜道。
あるのは街灯だけで、人は誰も歩いていないし車も通ってない。
しばらく歩いて川沿いに着いた。
川のそばに近づいたら水が流れる音がして、ここにも人は誰もいない。
まさかこんなかたちで悝世と2人っきりなるなんて、少し前のわたしじゃ考えられなかった。
というか、悝世が帰ってきたらどういう反応したらいいんだろうか…とか悩んでいたのに。
悝世があまりにいつもと変わらずに平常運転だから。
てっきり瑠衣くんと帰るって言ったことにたいして何か言ってくるかと思ったのに。
何も言われなくてホッとしてる反面、何も言ってこないってことは、どうでもいいのかな…なんて落ち込んで、矛盾ばっかり。

